作品(Normal)
□1,離れる指先を追いかけて
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退屈だとぼやいたのはスクアーロで、じゃあおいかけっこをしようと提案したのはオレ。
「やらねぇよ、ガキじゃあるめぇし」
「負けるのが目に見えるから?」
「う"お"ぉいなんだとぉ!負けるわけねぇだろぉやってやらぁ!」
チョロイね。
「じゃあオレが追い掛ける役な」
「ふん、捕まるわけがねぇだろぉ」
「やってみねぇと分かんねーよ?」
ちょっと挑発したらノってきた。単純なヤツは扱いやすくていいね。
「オレが10数えるからその間に逃げろよ。屋敷の中ならどこでもよし、スタート!ウーノ、ドゥーエ、トゥレ」
「数えんの早ぇぞぉ!」
「クアットロ、チンクエ、セーイ…」
無視したら舌打ちして逃げてった。
「ディエーチ」
オレもスタート。
まずはスクアーロの部屋に入った。相変わらず殺風景だな、ベアーくらい置けよ、あったら笑うけど。
次にボスの部屋に行って(つまみだされた)レヴィの部屋に行って(壁一面のボスの写真がキモいというより怖かった)マーモンに情報料だと言って金を取られ(覚えてろクソガキ)ルッスーリアの部屋はホルマリンの匂いが漂っていたから入りもしなかった。
あとあいつが隠れそうなとこ…。思い付かないけどもういいや、どうせひょこっと出てくるだろう。そう思って自分の部屋に戻ろうと廊下を曲がった。