アナタに青春
□第一章
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4月――。
入学式、始業式も無事に終わり、ここ翔洋高校も、少しずつ落ち着きが出てきた。
この学校は、今の2年生が1期生という新設校だった。
クラスは1組から10組まであり、全て成績順で割り振られている程の進学校でもあった。
数字が多くなるほど、優秀なクラスとされている。
2年7組の教室では、そろそろ授業が始まる時間だと言うのに、生徒達は騒がしくしていた。
「1時間目、何だっけ?」
女子の学級委員である有須生春は、1年の時から同じクラスで親友でもある香南伊万里に聞いた。
「うんとね…日本史、世界史」
「うそーっ!今年最初の授業が歴史なの!?はぁ〜」
「アリス、歴史ダメなんだっけ?」
「自慢じゃないけど、社会は全部半端なく悪いよ」
「自慢になってないし…」
「もう最悪。伊万里はどっち選択してんの?」
「あたしは日本史。アリスは?」
「世界史。分かれちゃうね。8組と合同だっけ」
「うん。日本史が8組。じゃあ、行って来るね」
そう言って、伊万里は教科書とノートを手に、教室を出て行った。
生春はため息をついてから、仕方なく授業の準備をする。
そこへ、教室のドアが開き、見知らぬ教師が入って来た。