短編
□人生最大の大失恋
1ページ/1ページ
※アニメ沿い
拝啓、この手紙を読んでいる未来の俺。
今何をしていますか?
17歳の俺には今、好きなひとがいます。
四ノ宮那月。
それがそのひとの名前。
女みたいな名前なのに男。
そう、俺は、男を好きになってしまったのです。
***
「ここ、もう少し高めにしたら?」
「あ、なるほど。だから違和感があったんですね…」
俺たちは、2日後に迫った試験のための練習をしていた。
内容は、林檎先生が勝手に決めた組み合わせでパートナーを組み、曲を完成させることだった。
「明後日だよね」
「はい。密くんは緊張してますかぁ?」
「当たり前だろ?」
正直、こいつは苦手だった。
ふわふわしてて、何考えてるのかわかんねーし。
でも、組んでみてわかったことがある。
こいつは普段ぽやーっとしてるけど、音楽に関しては天才的な閃きがあること。
歌が物凄く上手い…いや、そんな次元ではないかもしれないが。
気づけば、目で追っていた。
それを音也に指摘され、「恋なんじゃないの?」と言われた。
そんなはずない!
絶対に!
なんで男なんか…!
でもさぁ…
那月、色白いんだよなぁ…。
背も高めで意外と逞しそうだし、きっと守ってくれそう。
声も結構好みのところいってるし、むしろドストライク。
そんなことを考えていると那月が「どうしたの、密君」と綺麗な緑の瞳を向けてくる。
何我ながら女々しいことを考えているのだろうか。
これが恋なんか信じたくはないが…心臓が、爆発しそうだ。
これが、
恋、だ。