短編

□人生最大の大失恋
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※アニメ沿い


拝啓、この手紙を読んでいる未来の俺。


今何をしていますか?


17歳の俺には今、好きなひとがいます。


四ノ宮那月。


それがそのひとの名前。


女みたいな名前なのに男。


そう、俺は、男を好きになってしまったのです。



***



「ここ、もう少し高めにしたら?」


「あ、なるほど。だから違和感があったんですね…」


俺たちは、2日後に迫った試験のための練習をしていた。


内容は、林檎先生が勝手に決めた組み合わせでパートナーを組み、曲を完成させることだった。


「明後日だよね」


「はい。密くんは緊張してますかぁ?」


「当たり前だろ?」


正直、こいつは苦手だった。


ふわふわしてて、何考えてるのかわかんねーし。


でも、組んでみてわかったことがある。


こいつは普段ぽやーっとしてるけど、音楽に関しては天才的な閃きがあること。


歌が物凄く上手い…いや、そんな次元ではないかもしれないが。


気づけば、目で追っていた。


それを音也に指摘され、「恋なんじゃないの?」と言われた。


そんなはずない!


絶対に!


なんで男なんか…!


でもさぁ…


那月、色白いんだよなぁ…。


背も高めで意外と逞しそうだし、きっと守ってくれそう。


声も結構好みのところいってるし、むしろドストライク。


そんなことを考えていると那月が「どうしたの、密君」と綺麗な緑の瞳を向けてくる。


何我ながら女々しいことを考えているのだろうか。


これが恋なんか信じたくはないが…心臓が、爆発しそうだ。


これが、


恋、だ。
 

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