廻らないポラリス

□それは何かの因果だろうか
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学園のとある階、とある空き教室にとある人間がいて、困っている人を助けてくれる――

「…"とある"しか言ってないじゃないですか」
「まあ、ツッコむな。そんな噂があんだよ」
「へえ」

放課後。
僕は帰り支度をしながら、犬飼君と雑談をしていた。
それは学園の噂の話。
僕は知らなかったが、意外と皆は知っているらしい。

「ま、そいつが誰かも知らねーし、会った奴もいないらしいがな」
「それじゃあガセネタですか?」
「さあな。俺はちょっと疑ってる」
「じゃあ何で僕に教え…、あ、そろそろ時間ですね」
「生徒会か?」
「はい。それでは」
「おー」

話を中断して生徒会に向かう。
一応、もうすぐ定時だ。
きっと会長と翼君は来ていないだろうけど。

「こんにちは」
「あ、颯斗君!」
「月子さん。何だか上機嫌ですね」
「うん!先輩と話してきたの」

先輩、というのはもう一人の女子生徒の三年生のことだろう。
僕は会ったことはないけれど。
楽しそうに、今日のことを話してくれた。

「それでね…、あ!会長」
「おや、遅かったですね」
「すまん!翼の発明品が逃げた。探すの手伝ってくれ!」
「…はい?」
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