廻らないポラリス

□それは何かの因果だろうか
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どうやら、翼君のあの熊?のぬいぐるみが暴走して行方不明になったらしい。
全く…、これは後でお仕置きですね。
とりあえず面倒事にならないよう、探しに向かう。

「ピンクの熊のぬいぐるみ見ませんでしたか?」
「さあ」
「そうですか。ありがとうございます」

しかし、有力情報はなかなか得られない。
しかも探しているうちに人通りの少ない方へ来てしまったようだ。
空き教室がある。

「…戻りますか」
息を吐いて、踵を返す。
と、最寄りの空き教室の扉が開いていることに気付いた。
何となく吸い寄せられるようにそちらへ向かう。

「失礼します」
「何かお困りかな?」
「!」

人がいた。
制服を着ているから生徒だろう。
しかし、所謂占い師のような黒いヴェールを頭から被っている。
そのせいで顔はよく見えなかった。

「あ、えっと、ピンクの熊のぬいぐるみを知りませんか?」
「校庭に行ったよ」
「ありがとうございます!」

やっといい情報が聞けた。
僕はお礼を言うと、校庭に向かって走り出す。
助かった。
後で改めてお礼に来よう…
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