廻らないポラリス

□片足突っ込んだ水溜まり
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その後。
ペンギンちゃんの話が気になった俺は、すぐに手を尽くして最近占い部屋に来てる奴を調べた。
何人かの名前が浮かび上がる中、断トツで来ていたのは…
「確かに、よく知ってるけどさ」
番長…もとい、副会長の青空颯斗だった。
定期的ではなく、気紛れに訪れているようだ。

「番長なら、もしかしたりしないかなあ」
空を見上げる、なんて柄にもないことをしながら呟く。
もう一度名前のリストを見て溜め息を吐いた。
番長が行動を起こし始めたら、手伝おう。
大切な大切な幼なじみを助けるためにも。
奏羽には…
幸せになってほしいから。

「お前もそう願ってんでしょー?」
空に呼びかける。
アイツの顔が思い浮かんだ。


「何一人で百面相してんだ」
「あ、一樹!」
「どうかしたのか?」
「んーん。ダイジョブダイジョブ!」
「嘘つけ。どうせ奏羽のこと考えてたんだろ」
「あり、バレちった?」
流石は一樹。
一瞬でバレた。
一樹だけには、俺達が幼なじみだと言ってある。
だからいろいろ理解してくれてる。

「…はあ。来るか?生徒会室」
「あ、行く行くー」
「ところであいつ、まだアレしてるんだろ?」
「まーね」
「まあ、いいんだけどよ…」
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