廻らないポラリス

□光など嫌いだと笑った
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「…奏羽、先輩」
「そうだ。改めてよろしく」
「はい、よろしくお願いします」
「とりあえず今日はこれまで。桜士郎」
「うん。さ、番長行くよ」
「え?あの、」
「はい、行った行ったー」

半ば無理やりに青空君を追い出す。
彼なら、私を幸せにできる。
そう思って連れてきた桜士郎の罠にハマっている気がする。

…私は、幸せにならない。
アイツに申し訳がたたないよ。
でも、じゃあどうして私は名前を教えてしまったんだ。

「奏羽」
「……本当、嫌になる。弱くて」
「でも、君は番長に名前を教えた。そういうことじゃないの?」
「ははっ…、滑稽だろう?私はアイツのなんだ。他人なんて…他人なんて、さ」
「奏羽…」
「本当に、どうしようもない…な」

自分でもわかる。
私は誰かを求めている。
でもそれはアイツへの裏切り行為。
そんなことは出来ない。
出来ないんだ。
私は生涯を賭けてアイツを愛し、罪を贖い続ける。
それが私の出来るたった一つの供養なんだ…
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