廻らないポラリス

□羨ましかった温もりの中
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「ねー、何でこここうなるのー」
「だから、この公式使うんだと言っただろう!というかもう誉に聞け」
「僕は嫌だよ」
「誉ちゃーん…」

昼休み、桜士郎と奏羽に巻き込まれた。
何でも、課題がわからないらしい。
桜士郎って変なところで馬鹿だなあ。
折角奏羽が教えてくれてるのに。

「誉、こいつわかってくれないんだが」
「…はあ。僕まで巻き込むのやめてよね」
「誉ちゃん助けてー」
「だからそう呼ばないでって何回言ったら…」

「奏羽いるかー」

くどくどと文句を言ってやろうとしたら、よく響く声が届く。
ああ、一樹か。

「いるぞ。お前も助けろ」
「何をだよ。じゃなくて、お前今日放課後暇か?」
「…まあ」
「生徒会室に来い。じゃ、俺はちょっと忙しいからまたな」
「………」

奏羽はそそくさと出て行った彼を睨み、そのまま僕を見た。
うん、あれは断られないための逃げだよね。
僕は同情の眼差しでも投げておこう。
可哀相に。

「…絶対面倒臭いな」
「くひひっ、ご愁傷様ー」
「いいからお前は手を動かしな」
「ふふ、どんまい」
「誉まで言うか…」

くすくす笑っていると、今のやりとりを聞いていたであろうクラスメイトから声がかかる。
星詠み科程の連帯感は無いが、西洋占星術科だって仲はいいんだ。

「境井お疲れさん」
「心の底から同情するわ」
「…同情するなら助けてくれ」
「無理言うなよ」
「天下の会長様に逆らえるもんか」
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