廻らないポラリス

□あなたという存在を見つける
2ページ/3ページ

***

「たーのーもー!」
「なんだ、桜士郎か」
「何の用だ」
「そんな邪険にしないでよ〜〜」

颯斗が淹れてくれたアイスティーを飲んでいると、生徒会室の扉が騒々しく開けられた。
入ってきたのは桜士郎。
…どうせ、私か一樹を心配したか何かで様子を見に来たんだろう。
桜士郎は、いつも、そういうことをする。…してくれる。
わいわいと騒いでいたせいか、ラボにいた翼も出てくる。

「ぬ!おーしろーだ!」
「お〜〜エジソンくん!」
「あの、白銀先輩は何のご用ですか?何度も言っていますが生徒会役員以外は立ち入り禁止ですよ」

翼と絡み始めた桜士郎に、溜息をつきながら颯斗が注意する。
追い出してないだけ、颯斗も桜士郎を本気で邪魔とは思っていないんだろう。
生徒会に入ってみて、颯斗のいろんな面を見ることができた。
意外と意地悪だったり、想像通り真面目だったり、心から楽しそうに笑ってたり。
初対面での占いで確か、"動きを止めている"と占った記憶がある。
今はきっと、そうじゃないのだろう。

「俺はペンギンちゃんに会いにきたの〜〜。ついでに差し入れ、アイス」
「私は別に桜士郎に会う用事はないんだが…まあアイスに免じよう」
「アイスアイスー!おーしろーさんきゅー!」
「気が利くな」
「仕方ないですね、いったん休憩としますか」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ