廻らないポラリス

□ちょっとだけ背のびしてみたら
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空き教室、机に置いた小さな袋。
淡い緑の装丁に、白のシンプルなリボン。
私は今、こいつの処遇に困っている。
…端的に言ってしまえば、修学旅行のお土産だ。
桜士郎に乗せられて、颯斗に、買った。
だって、あいつがあんな顔をするから。

「奏羽、番長にお土産買わないの?」
「…何故」
「俺が、番長は奏羽を幸せにしてくれる奴だと思ってるから」
「理由になっていない」
「…前に言ったじゃん。幸せはひとつじゃないよって。可愛い後輩にちょっとお土産渡して笑顔もらうくらい、いいんじゃない」
「……」

桜士郎が私を心配してくれているのはわかっている。
それから、そんな桜士郎も私と同じように傷ついていることも。
だから何も言えなくて、目の前にあったハンカチを適当にひっつかんでその場を去った。

それが、3日前。
そろそろ渡さないと本当に渡せなくなる。
…どうせ買うのなら、せめてもう少し選べばよかった。
ため息をひとつ吐いて、とりあえずいつもの教室を出て生徒会室へ向かう。
そういえば最近はこの空き教室にもあまり来ていなかった。
最近はずっと、占いじゃなくてみんなと過ごしていたから。
占いは占いで好きだから、やめるつもりはあまりないけれど。
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