廻らないポラリス

□新しい世界への流星
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「文・化・祭・だー!」
「桜士郎うるっさい」
「この流れ前にも見た気がするね」

誉ちゃんのあきれたような笑い声を背に、学校に来るようになった奏羽を巻き込む。
そう、今日は文化祭。
西洋占星術科はもちろん占いをやるんだけど、ちょっとしたサプライズがあるのだ。

「ほら白銀、どいたどいた」
「…なんだ、みんな揃って私を見て」
「境井!クラス全員からのプレゼントだ!今日はこれを着て占ってくれ!!」
「…はぁ!?」

取り出されたのは魔女の衣装。
天文科がマドンナちゃんに内緒で衣装を用意してるって情報を聞いたクラスみんなで準備したものだ。
西洋占星術と中世の魔女は切っても切れない関係にあるから…というのは建前。
みんなの趣味だ。

「ちょ、ちょっと待て聞いてない!」
「言ってないからな。境井、しばらく休んでたから準備しやすかったわ」
「誉!桜士郎!」
「ごめん知ってた」
「ごめん話し合い超楽しかった!ほら奏羽、着てきて?そして俺に写真撮らせて〜〜」
「………こんな可愛らしいものが似合うと思ってるのか?」
「似合う!」
「似合うよ」
「大丈夫奏羽も可愛い!」
「そうだそうだ!」
「っ〜〜〜〜……馬鹿野郎!」

顔を真っ赤にして職員トイレの方へ走り去るのを見遣る。
大成功だー!と、クラスメイトが沸いた。
俺は素直に、不器用に楽しそうな笑顔が見れてよかったと思った。

ちなみに、そのあと。
わざわざ俺のとこまで来た奏羽は、顔の赤みが弾かないままだった。

「なんだまだ赤いねえ」
「うっさい。…なあ桜士郎」
「ん?」
「……ありがとう、いろいろ。とりあえず、今、楽しいよ」
「…そ。良かった」
「うん」

こないだのこと、荒療治かとは思ったけど、良かった。
俺もアイツも、奏羽が笑ってるときが一番楽しいときだった。
だから、少しずつ楽しそうな奏羽が増えるのは嬉しいんだ。
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