廻らないポラリス

□きらきらしたせかい
1ページ/2ページ

星月学園のバレンタインは一大イベントだ。
生徒会が隠したチョコレートを見つければ、学園において相当な権力を持つ生徒会にもの申せるのだから。
今年は当たりチョコが2個あるらしく、より盛り上がりに拍車をかけていた。
そういうわけで、生徒会室にはいつものメンバーと、その当たりを見つけた2人。

「それで?願いごとは?」
「俺っ、夜久月子さんにビンタされたいです!!!」
「………えっ……」
「これはまた………」
「月子が嫌じゃなければやってやればいいんじゃないか…?」
「じゃ、じゃあ…失礼します!」

ばちーん!と、思ったよりも大きな音。
そうだ、月子は運動部だ…。
痛そうな頬を押さえて嬉しそうな彼を横目に、もう1人に話を移す。

「で、君は?」
「あの、俺は境井さんに占ってもらいたいです…」
「私か?いいけど……君はそもそも、よく来る奴…だろう?」
「覚えててくださったんですか!」
「まぁ、一応」
「あれはあれで好きなんですけど、顔が隠れてない状態でお願いしたくて!」
「……成る程?…とりあえず座りな」

彼なりの想いがあるのだろう、と思いつつ、いつものようにタロットを広げる。
…後ろから生徒会の視線を感じるのが妙に緊張する。

「………まぁ、こんなところか」
「ありがとうございました!!」

嬉しそうに帰っていく背中を見届け、皆で片付けに移る。
そんなに荷物やセッティングも無かったせいか、案外簡単に片付いた。
すべて終わったところで、別の緊張が顔を出す。
何を思ったか、用意してしまったからだ。
颯斗への、バレンタイン。
彼からの気持ちにはまだちゃんと向き合えていない。
だから、せめて。
そんな私さえ許してくれている颯斗に、少しでも何か応えたくて。

「……颯斗、この後、時間良いか」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ