黒子のバスケ

□第3話 夢を見る
2ページ/2ページ

いつも通りに学校生活が終わろうとしていた
帰る準備をしているとふと後ろから誰かが自分を呼ぶ声が聞こえて来た

「…?」

後ろを振り向いてみたがそこには誰も居なかった
…きのうせいか
そう思い準備を続けようと前を振り向こうとした瞬間

「ここです、気づいてください」
「うお!!?」

自分の見ていた視界の端っこにぽつんと立つ一人の少年が現れる
いや、現れたのではない…気付かなかったのだ

「…く…黒子?」
「はい」

よし、今度はちゃんと思い出せた
と心の中で静かにガッツポーズを決める
黒子と呼ばれた少年はただ黙ってじっと彼女の事を見つめる

「・・・・・・・・な、なんだよ」
「…すこし、いいですか?」
「はあ?」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「でっ・・・何のようだ?」

黒子はここで話すのはちょっと…と言い教室を出て屋上に移動した
屋上に着くなりさっさと話を終わらしたいのか黒子に問い詰める
黒子はそんな彼女の様子をお構い無しにゆっくりと話し出す

「…常盤さんは、以前バスケをやっていましたか?」
「…それを聞いてあんたはどうする」

答えるのが嫌なのか諒は質問には答えなかった

「答えようにっては…わかりません」
「なんだそれ」

諒はそんな答えを聞き苦笑いした
相手がなにを考えているのかわからない限り、なにをしても無駄だとわかった彼女は渋々彼の質問に答える事にした

「やってたよ…バスケ、でもなんでそんな事聞いてくるんだ?」
「だいぶ前に月バスで見たんです、あなたの事」

その言葉を聴いた瞬間あぁ、なるほどなと彼女は思った
確かに自分が中学生の時バスケの名門中に居たせいか俺の名前は結構有名だった
しかしなぜそんな事をわざわざ聞くために屋上までに来たのか、そこが彼女にとって不思議だった

「…なんで止めたんですか?」
「…なんでそんな事を知りたがっている?、そもそも何時誰がそんな事言った」

確かに「やっていた」と言ったが誰も止めていないとわ言っていない

「美津濃さんに聞きました」

アイツか!!
全てではないが大体の謎が解決したおかげでだいぶ清々しくなってきた・・・

「でっどうしてですか」
「……………」

長く、重い沈黙が二人の間に流れる
質問された諒は答える気がないのかただ黙って黒子の事を見つめた

「…………1年前、インターハイが始まる3週間前俺は轢き逃げに会った」
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ