宝石箱

□秘書
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私は、桂木旬

中東にある世界的にも有名な
グループ会社に勤めている

そこは、ロイヤルファミリーが
自らこの会社を収めていた
簡単に言うと、国営みたいなものだ

カティーナ、そこは小国であるが
豊かな資源に恵まれ、争いのない平和な国
自由な思想と独自の宗教で栄えてきた国である

東大を卒業し、グローバルな世界で活躍したい
その思いで、海外の企業に就職を希望し今に至る

順風満帆、業績もトップクラス
出世コースを歩いていた

そんな私に、急転直下
移動の話が出たのが、今から6年前の話になる

世界的に有名な、このグループ会社の頂点
ボスである王には三人の息子がいた

三人はとても仲が良く、お互いが長所を発揮し
経営も上手くいっていた
自由な発想をもち、先見の明があったその三男が
三年前に病気で亡くなっていた
国も会社も、その時は大きな悲しみに暮れた
私も入社したてだったが、残念に思ったことを憶えている

その、三男の奥様が日本人であることは知っていたが
こんな形で、関わることになるなんて

当時は思いもしなかった
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