私のすべてがあなたでした

□私のすべてがあなたでした
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 『藤間さん!!』

藤「名前ちゃん!待った?」

 『いえ今来たとこです。』

藤「そうよかった。」


学校が終わり、少し文化祭の準備をしてから今日も早めに学校を出て○○駅まで来た。
ホントに藤間さんが来るちょっと前に着いて、今に至る…


 『これ、招待券です。』

藤「ありがとう。」

 『残り1枚しかなかったんですけど、もし誰か他に来てくれるってなったら入口で言ってもらえれば招待券なくても大丈夫なんで!』

藤「そうなんだ。分かった。」

 『これで私の手持ちのチケット完売です!』

藤「他誰誘ったの?」

 『神さん・清田君・仙道さん・越野さんです!』

藤「バスケ部ばっかじゃん!」

 『だって私他校に知り合いってバスケ部しかいないんですもん…』


そう言うと藤間さんに笑われた。
でも、こんなに気軽に喋る人だったなんてホント思ってなかったからちょっと新発見で嬉しい。


藤「名前ちゃんこの後暇?」

 『暇ですよ?』

藤「よかったらどっかご飯食べに行かない?」

 『せっかくだし行きましょうか!』


そうして私たちは何を食べようか相談したけれど、どこも混んでいたので結局ファーストフードになった。


藤「ごめんねこんなとこで。」

 『いえ全然!私はどこでも。それより藤間さんお腹いっぱいになりますか?』

藤「大丈夫だよ。ありがとう。」

 『ならよかった。』


藤間さんにファーストフード…
何だかちょっとミスマッチな組み合わせだなと勝手に思ってしまった私は、その光景が少し新鮮で笑ってしまった。


 『クスクス。』

藤「どしたの?」

 『何か、藤間さんもこういうとこ入るんだなぁって。』

藤「えっ何で?」

 『何か凄いオシャレなイメージがあって、こういうとこ入れるかーってタイプかと思ってました。』

藤「なんじゃそりゃ〜」

 『あははっ!!』


私が笑うと藤間さんも笑った。
ホント気さくな人だなって思っていた。
笑っている顔もホント綺麗だなとも思った。


 「あっあのぉ…」

藤「はい?」

 「翔陽の藤間さんですよね?」

藤「そうですけど。」

 「よかったら握手してください!」


このセリフどっかで聞いたことあるぞ…?

あっ!
湘北vs海南戦の時も同じようなこと言われてるシーンがあったなぁ。


 『藤間さんモテモテですね。』

藤「そんなことないよー」

 『一緒にいたら勘違いされそうで藤間さんに申し訳ないです。』

藤「何で申し訳ないの?オレは別にかまわないよ?」

 『まったまたぁ〜!』

藤「名前ちゃんと勘違いされるなら本望だよ。」

 『もうホント口が上手いんですからぁ〜!』


それから私たちはまたしばらく他愛もない話をして見せを出た。


藤「家近いの?」

 『あぁはい!でも、藤間さんを駅まで送ってから帰ります!』

藤「いやいや逆だよ。家まで送るよ。」

 『いいですよそんなわざわざ!』

藤「もう遅いし危ないから。お願い。」

 『…じゃぁ…お言葉に甘えて。』


藤間さんに家まで送ってもらった。
ホントにお話上手の藤間さんと話ていると話題も尽きず、楽しかった。

家までの道のりが凄く近く感じられた。


 『ホントにありがとうございました!』

藤「こちらこそありがとう。じゃぁ来週の土曜日ね。」

 『はい!待ってます!』

藤「おやすみ名前ちゃん。」

 『おやすみなさい!気を付けて帰ってください!』


ニコっと笑顔を残して藤間さんは帰って行った。
私も家の中へ入り、部屋に行き鞄を開けるとケータイのランプが光っていた。

中を見ると不在着信だった。


 『あっ、気付かなかった。誰だろう?…っ!!リョータ先輩…?』
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