始まりは突然に
□始まりは突然に
2ページ/2ページ
『でも…仙道さん何で…?』
仙「越野から電話があって、名前ちゃんも引っ張ってこいって。」
『…そうですか…すみません。』
仙「それより名前ちゃん。」
『はい…?』
仙「お母さんには普通に話せるんだね。」
『まっまぁ…』
仙「あの調子で部活やクラスでも話したらいいのに。」
『それができれば…苦労しません…;;』
とか何とか言っているうちに学校に着いた。
体育館のドアを開けると案の定田岡監督の雷が飛んできた。
私は急いで着替えて準備をしていると湘北高校側に見たことのある赤頭が…
あんな赤頭なんて早々いないよね…?
とか思っているその時。
「おう!!名前じゃねーか!!」
「あっホントだ!名前ちゃん!」
そう。
和光中といえば同じみ桜木軍団のみんながいた。
『はなみっちゃんに洋平君!大楠君たちもみんな湘北だったんだ!』
花「おうよ!」
洋「名前ちゃんは綾南だったんだね。でも、こんなとこで何やってんの?」
『そのぉ…マネージャになりましてですね…』
楠「えっ!あの名前が!!」
高「マネージャー!」
野「変わったこともあるもんだなぁ…」
『もぉ!あのって言わないでよー!』
こんな世間話してる場合じゃないのーー!
私は急いで綾南サイドへ戻った。
越「名前ちゃんがあんな喋ってるの初めてみたよ。」
彦「要チェックや!!」
池「喋れるんだな。」
仙「桜木たちと知り合い?」
『あのー…えーっと…はなみっちゃんと私いとこ同士なんです…』
越「えっ?!」
魚「似てねぇー」
花「何だと!!ボス猿!!」
赤「やめんかぁー!!」
はなみっちゃんは向こうの学校の中で一番大きい人からゲンコツをくらってしまった。
痛そう…
とか何とかしているうちに試合が始まった。
初めてこんな間近で見るバスケの試合。
少しワクワクしている自分もいる…
「えーっと名前ちゃん?」
『ひゃっ!!』
「えっ?」
『あっごっごめんなさい…!』
「そんなびっくりしないで。私湘北のマネージャーしてる彩子っていうの。2年よ。」
『あっ…えーっと…私は…1年です。』
彩「マネージャー同士仲良くしましょうね。」
綺麗な人…
こんな美人さん見たことないってくらい綺麗。
『はっはい…!』
美人の彩子さんに見とれていた私は我に返り返事をした。
何だか馴染みやすそうな人だと思った。
私がびくびくしても笑顔で話しかけてくれる。
さすが先輩だ…
それからは一生懸命試合観戦。
分からないながらにも、シュートの数などを彦一君に聞きながらメモをした。
ハーフタイム。
私はみんなにタオルや飲み物などを配った。
仙「ありがとう名前ちゃん。」
『みなさん凄いですね!!』
仙「えっ?」
『私正直バスケのルールとか全然分からないんですけど、みなさんのプレーが感動するほど凄いってことは凄く伝わってきました!!』
興奮していた私は不思議と言葉がすんなり出てきた。
仙「毎日バスケの試合見せたら名前ちゃん喋ってくれるのかな?」
『えっ?』
越「いいなそれ。」
池「あぁ。」
綾南のバスケ部のみんなは笑っていた。
何だか私はそれがとても嬉しくなり、またテンションが上がってきた。
何だろう。この気持ち…
凄く楽しい!!
『みなさん後半も試合頑張ってくださいねvv』
私は素直にこうやって言うことができた。
何だかそれが凄く嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
こんなに偽りなく笑顔を出せたのは名前やはなみっちゃんたち以外で初めてだ。
それほど私は今この場にいること、この状況が楽しかった。
1対1でも愚か、団体となると言葉も発することができなかった私がこんなに喋れることができている。
これも全部綾南バスケ部のみんなのおかげだと思った瞬間なのでした…
<続>