私のすべてがあなたでした
□私のすべてがあなたでした
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あれから私は1人突っ走って家に帰って来てしまった。
みんなを置いて来てしまった・・・
明日からみんな私とお話してくれるかな。
何よりリョータ先輩がお話してくれるかな。
そんなことばっかり考えながらベッドの上に突っ伏していた。
ピンポ〜ン♪
『・・・んー・・・?誰・・・?』
時計を見るともう夜の7時だった。
色々考えながら寝てしまったんだと気付いた時、もう一度インターホンが鳴った。
『あぁっ!はいはいはい!!』
私は急いでドアまで来て、誰かも確認せずにドアを勢いよく開けた。
リ「名前ちゃん♪こんばんわ。」
『・・・りっリョータ先輩?!』
リ「これ忘れてたでしょ〜」
『えっ・・・?あっ!携帯!!』
リ「あれからすぐに電話かけたら足元で鳴ったからびっくりしたよ〜」
『あっありがとうございます!!』
リョータ先輩はいつもの笑顔でそう言うと、私に携帯を渡してくれた。
いつもと変わらないリョータ先輩の笑顔。
その顔を見ると私の今までの不安はどこかに飛んでいってしまったかのようだった。
『よかったら入ってください!』
リ「迷惑でしょ?ここでいいよ。」
『全然大丈夫です!どうぞ!』
リ「じゃぁ、ちょっとだけお邪魔します。」
リョータ先輩をリビングまで案内している間にふと疑問に思ったことがあり、聞いてみた。
『リョータ先輩?』
リ「ん?」
『どうして家が分かったんですか?』
リ「そっそれはー・・・」
『それは?』
リ「ごめん!名前ちゃん!!」
『えっ?!』
リ「勝手に携帯見ちゃいました;;」
『あぁ!いや別に大丈夫ですよ?』
リ「ホント?!」
『はい!気にしなくていいですよvv』
リ「よかったぁー」
『クスクス。』
リ「やっと笑ってくれた。」
『えっ・・・?』
リ「あっいやぁー・・・名前ちゃんの泣いてる顔見てたらすっごい不安になっちゃって・・・」
『っ!!』
顔を背けながらそう言うリョータ先輩に私の心臓は飛び跳ねた。
ほんのり頬が赤い気がするのは、私の自惚れだろうか・・・
私のことをどう思ってるかなんて今はどうでもいい。
だって、リョータ先輩が私を心配してここに来てくれたことに変わりはない。
それだけで私の胸はいっぱいだった。
『リョータ先輩、ありがとうございますvv』
リ「っ!!」
どんなに辛い現実であっても、私がリョータ先輩を好きだということに変わりはない。
どれだけ頑張っても、努力しても、この気持ちを消すことなんてきっとできないから・・・
こうやって心配して来てくれたり、始球式だって私を肩車してダンクをさせてくれたり・・・
何よりいつも私のちょっとした表情の変化を見逃さない。
いつもリョータ先輩には気付かれちゃうから、私はきっとリョータ先輩には嘘をつけないとつくづく思う。
そんなリョータ先輩がやっぱり大好き。