始まりは突然に
□始まりは突然に
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新生活が始まって2週間が経とうとしている。
クラスではなかなかまだ馴染めない私だったが、バスケ部では少しずつではあるけれど馴染めるようになってきていると思っている。
『そう思わなきゃやっていけないんだよぉーー!!』
「なっ何?!急に…?」
『バスケ部のみんないい人たちばっかりなんだよ?』
「分かってるよ…?」
『なのに、私ときたら2週間が経とうとしているのに未だにまだ…』
「そう?だいぶ馴染んできてると思うけどなぁ。」
『ホント?』
「うん。名前にしては早いんじゃないかな?」
『よし頑張るぞ!!』
「あんたって…うじうじするくせに意外と単純よね…」
名前がこんなことを言っているのはもう私の耳には入っていなかった。
こんな会話をしていた昼休みが終わり、午後の授業もやっと終わりついに放課後。
またきましたよ…この時間が…
彦「名前さん行きましょう!!」
『あっ…うん…!』
部活もクラスも一緒の彦一君。
彦一君が名前でいいと言ってくれたから、私も名前で呼んでいいと言った。
名前以外の人を名前で呼ぶのは初めてのことで、何だかちょっと新鮮な感じがした。
彦「ちーっす!」
『こっこんにちわぁ…』
魚「声がちいさーい!!」
『ひっ!こっこんにちわぁー…!!』
仙「ちーっす。」
『せっ仙道さんだって声…小さいですよ…』
仙「名前ちゃんさ。」
『はい…?』
仙「オレにはなかなか意見するようになったよね。」
『そそそそそんな…!そんなつもりは…すっすみません…!』
仙「えっあぁいやいや。別に気にしなくていいんだよ…ってもういない。」
仙道さんの話を最後まで聞かずに私は仕事を始めた。
何だか申し訳なくなりその場を立ち去っただけなのに、田岡監督に最後まで話は聞かないとって言われてしまった…
『はぁー;;』
池「幸せ逃げるぞー」
『いっ池上さん…!』
池「おっ今日は昨日よりびびらなかったな。よしよし。」
『……』
池上さんは毎日って言ってもいいくらいこうやって私の頭を撫でてくれる。
これがいつしか私の中でも日課になり、最初のうちはびくびくしていた私も今ではしなくなった。
仙「池上さんばっかズルいな〜」
池「お前も何とか方法考えないとな。」
仙「餌付けしたらいいかな…」
池「名前は動物じゃねーよ…」
そうだよ。
まったく仙道さんってば!
田「集合ー!」
「はい!!」
田「今週の日曜日、湘北と練習試合をすることになった。」
『えっ…』
田「どした?苗字。」
『いっいえ…何も…』
練習試合って…
私も参加しないといけないよね…
また新しい人たちと会わなきゃいけないじゃん…><
*****
『はぁー;;今日行きたくないな…』
ピンポ〜ン♪
『こんな早くにインターホンが鳴るのは名前しかいない…』
母「名前ー!」
『はーい。』
母「バスケ部の仙道さんって方が来てくださってるわよー!」
ドンッ!ゴンッ!
『あいたたた…』
母「何やってるのあんたは。」
驚きのあまり私は急いで階段を降りようと思ったら転がり落ちてしまった。
そう。
仙道さんの目の前で…
仙「名前ちゃん大丈夫?」
『はっはい!ていうか何で…?』
仙「時間。」
『えっ…?時間?…きゃぁーーーー!!!!』
仙「びっくりした…」
『ちょっと!お母さん!何で起こしてくれなかったのよぉ!!』
母「あんたが間違えた時間言ったんでしょ?」
『言ってない!!』
母「いいから早くしなさい!」
私は猛スピードで制服に着替え荷物を詰めて仙道さんの待つ玄関へ行った。
それからは2人で小走りで学校に向かう。