夏色ドロップ

□夏色ドロップ
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部活中に肩に少し違和感があったオレはモモカンに話すと、今すぐにでも病院に行けと言われた。
できたらでっかい病院でレントゲンを撮ってもらえとまで言われた。
大袈裟だなと思ったオレだったけで、モモカンに逆らうこともできずに言う通りに病院へ足を運んだ。

そこで出逢った1人の女の子。
左手には点滴をしているようだった。

正直オレは終始ドキドキしていた。

透き通るような綺麗な色白の肌。
パッチリ二重の大きな目。
長い睫毛。
何より屈託なく笑う笑顔。

一目惚れと言っても過言じゃないと思った。
もちろん見た目だけで判断しているわけではない。
人懐こく話題豊富のあの性格に魅力を感じた。


巣「栄口?どした?」

栄「えっあっいや何も。」


部室で着替えているときのことだった。
ぼーっとしていたのか手が止まっていたらしいオレに巣山が話しかけてきた。


阿「そういえばお前肩どうだったんだよ。」

栄「あぁ骨とかには異常ないって。」

田「よかったなー!」

栄「うん。」


オレはみんなに昨日のことを話そうか迷っていた。
同じ西浦高校で野球部のマネジをしたかったという名前ちゃん。
病気が治って学校にこれるようになったらマネジ志望に来るかもしれない。
その時に少しで馴染みやすくしてあげるべきなのではと思ったからだ。


花「さっきから何唸ってんだよお前は。」

栄「唸ってた?!」

泉「唸ってるって。」

阿「何か言いたいことあるなら言えよ。」


でもなぁ…
言ったら絶対病院に行くとか言うやつ出てくるよなぁ…

えっ?
それはいいことじゃんか!
名前ちゃんに少しでも友達が増えることはいいことだよ!

でも何でオレこんなにモヤモヤすんだ…?


水「もしかして恋?」

栄「なっ!////そんなんじゃないって!」

阿「んじゃ何だよ。」

栄「はぁー;;実は…」


オレはついに口を割った。
昨日のことを全て話した。


栄「ってわけです。」

田「みんなでお見舞い行こーぜ!!」


ほら…
絶対言うと思ったよ;;


花「でもみんなで病院に押し掛けるのもなぁー」

栄「とりあえずオレは今日今から行くけどー?」


何でこんなことを言ってしまったのだろうか…
つくづく嘘つけないよなオレ;;

結局、主将の花井・副主将の阿部・田島・その監視役に泉が行くことになった。
水谷がやたらとぶーぶー言ってたけれど、また今度連れて行くということで話はまとまった。


花「今から行ったら7時過ぎるな。大丈夫かな?」

阿「お前一応連絡しとけば?」

栄「ケー番もメアドも聞いてないんだって。」

田「役立たずー!」

泉「田島…;;」


ごちゃごちゃ言っているうちに病院に着いた。
オレは何の気もなく今日もこようとあたりまえのように思っていたけれど、ここまで来てホントに来てよかったのかと思ってきてしまった。

まぁでもここまで来たらと意を決して病室に足を運ぶ…



コンコン



 『はい〜?』

栄「失礼しまぁ〜す。」

 『あっ!勇人君!』


昨日同様あの可愛い笑顔を見せてくれた。
オレの鼓動は早くなるばかり…


栄「今日は他にもいるよ。」

 『えっ…?』

田「ちーーっす!!」

泉「こら田島!」

花「病院では静かにしろ!」

阿「はぁー;;ったく…」


こんな感じで4人が入って来たが、名前ちゃんは少しびっくりした感じで目をまん丸くしてる。
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