奇跡と呼べるこの瞬間
□奇跡と呼べるこの瞬間
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『将来かずにぃと結婚する!!』
大きくなって、兄妹では結婚できないと分かったはずなのに、かずにぃへの気持ちは押さえ切れなかった。
かずにぃは私のことどう思っているのかな・・・?
〜奇跡と呼べるこの瞬間〜
『かずにぃ!!今日上田に帰るんだよ!!』
佳「分かってるって。」
『ホントに分かってる?!』
私がそう言いたかった理由はたった1つ。
かずにぃが未だにパソコンから目を離さないからです・・・
「にぃにいくよ。」
佳「分かった分かった。」
一昨年の秋に産まれた私達の妹、名前の一言で、やっとかずにぃが腰を上げた。
片手にはしっかりパソコンを抱えて。
『名前が言うとすぐ動くんだぁー』
佳「ごめんごめん。」
そう言いかずにぃは私の頭をポンポンして行ってしまった。
ていうか、私もう子供じゃないのにぃ!!
*****
時は変わって私達は上田に着きました。
万里子おばさんがいつものように迎えてくれて、挨拶をしていざ家の中へ!!
「名前!!」
『あっ!!しょたにぃ!!』
満面の笑顔で迎えてくれたしょたにぃに勢いよく抱き付いた。
にも関わらず、しょたにぃは私を軽く持ち上げて高い高いみたくして下ろしてくれた。
『しょたにぃ!!私大きくなったぁ?!』
翔「なったなった!!」
『かずにぃ!!私大きくなったって!!』
佳「ふーん。」
あれ?
かずにぃさっきまで普通だったのに、機嫌悪い・・・?
暑かったのかなぁ?
今はテーブルの横に座って麦茶を飲んでいるけども。
「名前!!来てたのか!」
『あっ!!理一にぃだぁ!!』
そう言いながらしょたにぃ同様勢いよく抱き付いた。
理一にぃもまた軽く私を抱き上げ、その勢いでくるっと一回転下ろしてくれた。
私は理一にぃのこのくるっと一回転がいっつも大好きなんだぁ。
理「名前大きくなったなぁ。」
『ホント?!』