冬空からの贈り物
□冬空からの贈り物
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万「名前ちゃんまだ寝てるのかしら?」
佳「僕見てくるよ。」
朝食の支度ができたと聞いて、居間に行くとちょうど万里子おばさんの声が聞こえた。
僕は名前さんの部屋に少し早歩きで向かった。
佳「名前さん?おきてる?」
中から何も返事が聞こえない。
何回呼んでも同じだった。
佳「名前さん。入るよ?・・・っ!!」
ふすまを開けたけれど、そこに名前さんの姿はなかった。
1枚置き手紙が綺麗にたたまれた布団の上に置いてあっただけで・・・
佳「みんな!!これ!!」
急いで居間にそれを持って行き、万里子おばさんに渡した。
そこには、『短い時間でしたが、ありがとうございました。楽しかったです。』とだけ書かれていた。
理「くっそ・・・!!翔太!!」
翔「なんだよ。」
理「長野県中の苗字って苗字の家調べてくれ!!」
翔「はっ?!範囲が広すぎる!!」
佳「さっさとして!あんた警察でしょ?」
翔「チッ・・・!!分かったよ!!調べりゃいいんだろ?!」
理「できるだけ早く!できたら、高校生の女の子がいる家もな!!」
翔「はいはい!!」
翔太は家を出て行った。
早速調べてくれるのだろう。
オレと佳主馬以外のみんなは何があったのかという顔でオレたちを見ている。
そんなみんなにオレは昨日のことを全て説明した。
*****
ガチャ
『よかった・・・帰ってきてなくて・・・』
私は急いで朝ご飯の支度に取りかかった。
何か中途半端に陣内家を出て来たことが気になった。
『もう会うことはないよね・・・』
ガチャ
『っ!!』
「おい!!お前昨日の夜どこ行ってた!!」
『お父さん・・・』
すごい血相で帰って来た。
私は少なからず足が震える感覚を覚えた。
『お父さん、普段平日の夜は帰ってこないじゃい。』
父「だから家を開けたのか?!」