short//鋼
□真っ白な天使
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―――君のその笑顔を見たいから、
僕はまた強くなれるんだ。
「アルー!エドー!」
久しぶりに故郷に帰ってきたエルリック兄弟を迎えたのは、幼馴染みのリーシャだった。
「おかえりなさい!」
『ただいま、リーシャ。』
アルフォンスは優しく返す。
鎧なので表情は分からないが、きっと笑顔なのだろう。
『ただいま。
あれ、ウィンリィは?』
エドワードは一言言うと、もう一人の幼馴染み、ウィンリィを探す。
「ウィンリィ、まだ仕事中だから来れなかったの。
だから家で待ってるよ。」
『そっか。』
分かりやすい彼の態度に、リーシャは少し寂しそうな表情を浮かべた。
『それじゃ、ウィンリィのとこ行こっか。
兄さんもお腹空いてるだろ?』
『そうだった!
あと、オートメイルも調整したいしな。』
エドワードはそう言うと、先頭切って歩き始めた。
そんな彼の背中を、彼女は寂しそうに眺める。