short//鋼

□雨の日は・・
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『大佐、しかめっ面ばかりしていても晴れませんよ。』

『天気が悪いとどうも調子が出ない。』


『雨の日は無能ですからね、焔の大佐(笑)』

ハボックとブレタが笑いながら言う。

その言葉に終始しかめっ面だったマスタングは反論はせず、認めたように溜め息をついた。

いつもと様子が違う。
そう感じたのはホークアイだけではなかった。


そんな時だ。


「大佐ーっ!!!」


バンッと勢いよく開いたオフィスの扉。
その場に居た誰もが肩を竦めた。


『お、脅かさないでよリーシャちゃん(汗)』

ファルマンは溢してしまったコーヒーを拭きながらリーシャを見る。

「あはは、すみません(汗)」

『で、今日はなんの用だリーシャ。』

「別に?
大佐に会いたいなーって思って来ちゃいました☆」

『語尾に星を飛ばすな、星を。』

この悪天候を吹き飛ばす勢いのテンションに、マスタングは溜め息をついた。

これでも、あの鋼の錬金術師と肩を並べるくらいの天才なのだから、マスタングは何も言えなかった。

『いつも元気ですよね、リーシャちゃん。』

「いやいや、私だって落ち込むときくらいありますよ〜」

彼女の言葉に、みな苦笑するだけだった。
そもそも、リーシャが落ち込むところなど、誰も見たことないのだ。

だがマスタングには分かっていた。

彼女が今、どんな精神状態にあるのかを。
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