short//鋼
□真っ白な天使
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「本当に…好きな人?」
『そ。
君には分からない?』
リーシャは首を横に振った。
アルフォンスから、今までそんな話は聞いたことなかったし、そんな素振りは見せなかったからだ。
『君は周りのことには凄く敏感だけど、自分のことに関しては鈍感なんだね(笑)』
「え…どういうこと?」
首を傾げるリーシャ。
『僕が想っているのは、今も昔も…君だけだよ。』
そう言いながら、彼女の髪の毛を優しく撫でた。
冷たい鎧の手からは、少しだけ温もりを感じた。
「えっ……//」
状況を飲み込めていないリーシャを横目に、アルフォンスはクスクスと笑う。
『そんなにビックリするとは思わなかったな〜(笑)』
「だって…!」
顔を真っ赤にするリーシャ。
『僕の体が元に戻ったら…
返事、聞かせてください。』
いつものような優しい口調。
だけどそれは強く、そして深くリーシャの心に響いた。
「は、い。。」
『おい、さっきから何コソコソ話してんだよ。』
リーシャが返事したのと同じタイミングで、エドワードが立ち止まりこちらを振り向く。
『なんでもないよ。
ただ、ウィンリィの様子を聞いただけ。』
アルフォンスは先程のやり取りが無かったかのように、エドワードの質問に答える。
『ふぅん…ま、いいけどよ。』
そう言うと、またエドワードは前を向いた。