キオク
□記憶の代償
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「なんで・・・なんでそこまでして思い出そうとするんスか!?ゆっくりでいいんスよ!?なに焦ってんスか!!!」
そんなの・・・私が一番知りたいよ。
私だって、なんで自分がこんなに焦っているのかわからない。
なんで、こんなにも早く・・・思い出したいと思うのか分からない・・・。
「みょうじ、お前が落ち着くまで俺達はみょうじに会わないのだよ。」
「・・・!?」
「ごめんねなまえちゃん、みんなで決めたことなの。私達が話すと、いつ記憶が戻るかわからない。」
「また頭痛がして意識失ったら、今度こそ眠りから覚まさない気がします。」
「だからしばらくの間、我慢してくれ。なまえ。」
そう言って病室から出ていくみんな。
なに・・・それ。
私のことを思っての行動。
それは分かる。
でも・・・私の意思は関係ない?
思い出したいのに・・・。
やっと思い出してきたのに・・・。
もう思い出す手段がない。
みんなも、いつ来てくれるか分からない。
だったら・・・いっそ・・・。