あの空の下で
□episode13
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「ねぇなまえっち。」
「ん?」
「恋愛って、後ろ向きな考えをする人ほど実らせるのが難しいと思う。」
「え?」
真剣な目でこっちを見てる。
黄瀬くんにすべて見透かされてるみたい。
「どんな理由があっても、後ろ向きになった時点でもう勇気をなくす。今のなまえっちとそいつ、お互い後ろ向きな気がする。」
けど、紫原くんに『嫌い』って言われた。
「どっちかが前向きにならないと。」
紫原くんを信じていいのかな。
「好きなんでしょ?諦めたくないんでしょ?」
好きだよ・・・諦めたくなんてないよ・・・。
「あいつが前向きになれないなら、なまえっちが前向きにならないと。」
そうすれば・・・前みたいになれるかな。
「それだけでも、全然違うんスよ。」
そうすれば・・・前以上の関係になれるかな。
「だから・・・って。」
黄瀬くんは言いかけた言葉を止め、私の頭を撫でる。
「もう大丈夫みたいっスね。」
泣いている私に、そう言った。
完!!