それぞれの未来へ

□第1話
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「なまえただいまー」


「おかえり敦、今日早く帰ってこれたんだね!」




色々あった高校1年生のころからもう9年。


時が立つのは本当あっという間で、もう25歳になった。


現在私はイタリアン調理師として、敦はパティシエとして働いている。


専門学校は違ったけど、受けた職場が敦と一緒で二人とも無事内定をもらった。


一階がレストランで、二階にカフェがある今東京で最も話題のお店。


『同じ職場ならもう同棲しちゃえばいいじゃない』って私と敦の両親が言ったものだから、専門学校卒業と同時に同棲生活も始めた。




「んー、なまえ−・・・!」


「クス、はいはい。」




帰ってくると敦はいっつも私に抱き着く。


これで一気に疲れが取れるんだって。




「てか、もう来てんの?」


「そうだよ、みんな敦のこと待ってた。」


「まず何で家なわけー?」


「いいじゃん、他に集まれる場所なかったんじゃない?」




そういう会話をしながらリビングに向かう。


そして、リビングの扉を開けた。
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