キオク

□Side story〜黒子〜
1ページ/2ページ






「・・・あ、繋がりました。」


『・・・黒ちん、さっきからなにー?』




みょうじさんに会った日の夜。


紫原くんに電話をかけました。


理由は赤司くんからこんなメールが僕と、他のメンバーにも送られたからです。




【全員、なまえが敦を思い出すように努力をしろ。そして、会った日の夜には敦に連絡をいれること。】




きっと、赤司くんなりに紫原くんを心配したんでしょう。


紫原くんに5回かけてやっと繋がった電話。


出なかった理由は想像がつきます。


声が・・・かすれているから・・・。


泣いていたんですよね?紫原くん。




「みょうじさんについてです。」


『・・・え?』


「みょうじさん・・・優しいところは全く変わっていません。」


『・・・・・・。』




今日泣いたのは、きっと紫原くんの気持ちを考えて・・・でしょう。


泣いていた、でも・・・結局思い出すことはできませんでした。


目覚めて1ヶ月も経つのに。


相手の苦しみ、悲しみを理解して泣いてくれるみょうじさん。


記憶を失っていても、その優しさは変わらなくて・・・。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ