キオク

□Side story〜黄瀬〜
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『はぁ・・・なーに?黄瀬ちん。』


「なんで不機嫌なんスか!」


『黄瀬ちんからの連絡ろくなことないもーん。』


「こっちもモデルと高校生活の両立大変なのに時間見つけて連絡してんスよ!!」




相変わらずの紫原っちにうなだれる。


まぁたしかに・・・ろくでもないことかもしれないっスけど。




「今日」


『なまえのこと?』


「!?なんで・・・」




なんで知ってるんスか・・・!?


身を乗り出して紫原っちに聞く。




『前黒ちんがそれについて電話してきたからー。』




黒子っち・・・もう紫原っちに連絡したんスね。




「紫原っちは・・・大丈夫っスか?」


『っ!・・・さぁ。』




大丈夫なわけ、ないか。


2年前もあんなに混乱したんだ。


今だって、きっと・・・。




『それより、黄瀬ちんの要件なーにー?』


「あ、あぁ・・・。なまえっち、自分を傷つけたんス。」


『え・・・?』


「頭。何度も病室の壁に打ち付けて、思い出そうとしたんスよ。」




必死なのに。


結果が見えてこない。


努力しているのに。


記憶が戻らない。
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