キオク
□Side story〜青峰〜
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夜。
俺は携帯を取り出して電話をかけた。
3コールほどで繋がった。
『・・・珍しいな、なんだ?大輝。』
「よぉ、赤司。」
紫原の連絡よりも先に、赤司に電話をした。
その理由は・・・。
「紫原、こっち来させよーぜ。」
『!突然だな。何故だ?』
「あー・・・。なまえ、このままだと思い出すのにめっちゃ時間かかる気ぃーする。」
『その様子だと写真でも、効果は得られなかったみたいだな。』
「そうだな・・・」と赤司が考え込む。
そこにさらに言葉を続ける。
「テツから聞いたんだけどよ、紫原そうとう精神ボロボロらしいぜ。」
『前のようにか?』
「あー・・・そこまでは行ってねーみてぇだけどよ。あいつ、なまえを忘れようとしたみてぇだ。」
『・・・は?』
「だから、他の女と一緒にいてなまえのこと忘れよーとしたんだとよ。」
『敦がか?』
赤司が驚いた声を出す。
それもそうだ。
ずっとなまえを一途に思い続けてたっつーのに、ここにきて忘れようとしたからな。