キオク
□Side story〜緑間〜
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『なんかミドチンから電話くるの嫌だし。』
「そうか、あいにく俺もお前に電話をするのは嫌なのだよ・・・!」
『いっつも見下してる感じするし。』
「電話かけて早々何なのだよお前は・・・。」
このようなやり取りをしてもう10分は経過しただろう。
赤司の言うことだから仕方がないと思い、嫌々紫原に電話をかけた。
電話に出たはいいが、俺が「報告だ」と言った矢先にあいつは電話を切った。
8回ほどかけ直しようやく繋がったかと思えばグチグチと人の文句を言ってくる。
「みょうじのことで報告があるから電話をかけたのだよ。お前も気になっているだろう。」
『ミドチンがなまえと話しただけでもなんかイライラするし。』
「お前は俺の全てを否定しているのか・・・!!お前はあいつに忘れられ」
ここまで言って言葉を止めた。
いや、もう止めたところで遅い。
嫌な汗をかいた。
言ってはいけないことを・・・言ってしまった。
『・・・・・・。』
「す、すまない。紫原。」
どう声をかければいいのか分からず、無言になる。
切られるだろうか。
携帯を持つ手に自然と力がこもった。