キオク

□Side story〜桃井〜
1ページ/2ページ






「!さすがさっちん・・・。」


「やっぱりね!報告しに来たよ!」


「うん、ありがと。中入ってー。」


「なまえちゃん家なのに自分の家みたいな言い方(笑)」


「うるせーし(笑)」




むっくんがこっちに来た。


なまえちゃんと会うために。


青峰くんが赤司くんに頼んだって聞いたけど・・・


正直、心配で仕方がなかった。


思い出せなくて、なまえちゃんが泣いた。


忘れられて、むっくんが泣いた。


そんな二人の気持ちを知っている、みんなが泣いた。


たくさんの涙が流れた。


それなのに、また会おうとするんだね・・・。



なまえちゃんの部屋について、話を始める。





「むっくん、学校休んできたの?」


「うん、この時期は連休ないしー。」


「そんな・・・学校休んでまで来ることだった?」




むっくんが俯く。


そして私に返す。




「やっぱりさ・・・?」


「!・・・むっくん?」


「・・・怖いよ。」




声が、肩が震えてる。


必死にこらえているのがわかった。




「なんでオレなの?ってずっと思ってた・・・待ってた結果がこれ?って・・・。」


「むっくん・・・。」


「オレが、なまえを忘れようとしたことは知ってる?」


「うん、聞いた・・・。」




テツくんから青峰くん、そして私へと伝わってきた情報。


最初聞いたときは信じられなかった。


だって、あんなに好き合っていたのに。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ