キオク
□記憶の代償
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記憶を戻すには頭痛が伴う。
気を失うほどの激痛。
それでもいい。
私は思い出したい。
だからまたアルバムを開いた。
思い出していく記憶。
その頭痛はいつくるのだろう。
一日に思い出す目安はどのくらいだろう。
それを確かめるためにも危険な行動をとった。
私はどんなに犠牲になってもいい。
敦を・・・思い出したいから。
「・・・・・・。」
目を開けると白い天井。
みなれた場所。
ああ、そうか。
また、倒れたんだ。
どのくらい思い出したんだっけ・・・?
「・・・なまえっち!!」
聞きなれた声。
横を見る。
・・・黄瀬くん。
焦った顔で、心配そうな顔で。
また・・・心配かけちゃった。
黒子くんに続き、黄瀬くんにまで・・・。
あれ・・・違う。
よく見れば・・・。