キオク
□Side story〜紫原〜
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部活の休憩時間。
オレはいち早く更衣室へ行き、携帯をチェックする。
昼休み。
モデルの仕事を終えた黄瀬ちんからメールが来た。
仕事帰りに寄ったら・・・なまえがいなくなって病院が大騒ぎだって。
みんなと連絡を取り合いながら、なまえがどこにいるかを予想しようと思った。
でも、誰もなまえの居場所を知らなくて。
「なまえ・・・どこ行っちゃったの・・・?」
なまえに何があった?
オレの知らない間に・・・何が。
ギィと音を立てて更衣室の扉が開かれる。
入ってくる人物を横目で見る。
「敦。」
「ん・・・なーに?室ちん。」
入って来たのは室ちん。
にこっと笑いながら更衣室の外を指差す。
「お客さんだよ。美人さんだ。敦のガールフレンドかい?」
「ふざけたこと言うんじゃねーよ。」
そして渋々と更衣室を出る。
「体育館の入り口で待ってる。」
「んー。」
なんだよ・・・。
こっちは今それどころじゃねーんだけど?
適当な理由をつけて帰ってもらおう。
そう思って、体育館を出たら・・・