あの空の下で
□episode1
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ごく普通の家に生まれ、
ごく普通に小学校に通い、
ごく普通に育った。
みんなと違うと言えば、父親がいないことくらい。
私はどこにでもいる子。
そう思っていた。
でも帝光中学校に入学してから、私はイジメを受けた。
どうやら私は、今年入って来た1年生で「1番かわいい」らしい。
もちろん、それを気に食わない女子も多くて。
入学して1週間で、イジメにあった。
イジメと言っても、他の子も先生方にバレるのが嫌なのか、陰口を言ったり少し無視する程度。
でも、私にとってイジメは今まで経験したことがない。
陰口を言われたり、無視されるだけで・・・そうとう心に傷を負っていた。
怖くて怖くて、なにも言えなくて。
ただ教室で大人しく座っていることしかできなかった。
でも、決して逃げたりなんかはしなかった。
お母さんに・・・お母さんに心配をかけさせたくなかったから。
「はぁー・・・やだな・・・。」
放課後、私はいつもこの場所に来る。
ブラブラと歩いていたら偶然見つけた場所。
夕陽が綺麗に差し込んでいて、すごく気持ちが落ち着く。