ありがとう
□episode1
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「今日の最下位は・・・ごめんなさい、かに座のあなた。」
「なっ・・・!」
「嫌な過去を思い出すきっかけがありそう。そんなかに座のあなた!ファッション雑誌を持っていると、少しは運気が上がるかも!」
学校に行く前、必ずおは朝を見る。
いつもの日常。
「最近かに座が上位に来ないのだよ。」
ファッション雑誌を持っていなかったため、近くのコンビニで適当に目に止まったものを買った。
もちろん中を見るわけではない。
コンビニ袋をぶら下げ、いつもの学校へ向かう。
「おーっす!真ちゃん!」
「・・・高尾か。」
後ろから高尾が駆け寄る。
これも、いつものこと。
「ん?何買ったの?」
そしてあいつは俺が持っているコンビニ袋へと視線を移す。
興味があったのか、それを俺から取り上げ勝手に中身を見始めた。
「ぶはっ!!ファッション雑誌!?似合わな!!(笑)」
「返すのだよ!今日のラッキーアイテムだ!」
「あ、黄瀬載ってんぜ!」
「話を聞け!」
興味深そうに見ていく高尾に、俺はもう雑誌を奪い取るのを諦めた。