ありがとう
□episode4
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「緑間っち。」
「・・・黄瀬。」
「遅れたっス。あ、これ俺のっスか?」
先に来ていた俺が注文しておいた飲み物を指さして言った。
「ああ、呼び出したのは俺だからな。おごる。」
「サンキュー緑間っち!」
飲みものを一口飲んで、黄瀬が口を開いた。
「・・・して、なんか話があるんスよね。」
「・・・ああ。」
「なまえっちのことっスかね?」
「・・・わかっているのだな。」
「そりゃあ・・・」と言い空を見つめる。
「俺だって驚いたし。今まで同姓同名ってだけだと思ってたけど・・・。」
そして次は俺を見る。
いつにもなく真剣な表情で。
「俺に聞きに来るってことは、似てるんスよね。顔も性格も。」
なまえの話を振られると、俺はほとんど何も言えなくなる。
キセキの世代はそれを知っているため、俺の返答を待たずに話を続ける。
もちろん黄瀬も。
「俺は緑間っちの話を知っているから他の人よりは今の緑間っちの気持ちわかるっスよ。」
「ああ・・・。」
「なまえっち、ほんといい子っスから・・・あんま冷たくしないでほしいっス。」
「・・・わかっている。」
そう、わかっている。
受け入れられないのは、俺のせい。