ありがとう

□episode5
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「じゃあ今日の授業はここまで。」


「ありがとうございました。」




授業が終わって騒がしくなる教室。


俺は昨日黄瀬が言った言葉をずっと考えていた。




『言ってなかったけど、なまえっちが秀徳選んだのもバスケ部のマネージャーになったのも、全部緑間っちの影響って言ってたっスよ!!』




あれはどういう意味だったのか。


皆目見当もつかない。




「あ、あの緑間く・・・」


「みょうじさん!サインもらっていい!?」


「あ、俺も!さっきの休み時間もらえなかったし!」


「え、あ・・・うん。」




みょうじもさっきみたいに休み時間になる度に俺に話しかけようとしている。


けど、サインを求められる奴らにさえぎられている。


当然俺は・・・聞いていないフリ。




「なぁ真ちゃん、さっきからなまえ話しかけてようとしてんじゃね?」


「知らん。」




みょうじを気に掛ける高尾を横目に、俺は席を立った。




「ってどこ行くんだよ真ちゃん!昼食べねーの!?」


「屋上で食べるのだよ。」


「んじゃー俺も屋上行こうっと♪」




気持ちの整理がつくまで極力みょうじのそばから離れたい。
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