ありがとう
□episode6
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俺たちはベンチに隣り合って座った。
泣かれるのが困るから咄嗟に言ったはいいが、いざとなると何を話したらいいのかわからない。
「緑間くん、私のこと嫌いなのかと思った。」
みょうじのほうから話しかけてきた。
正直助かる。
「嫌いでは・・・ないのだよ。」
「そっか・・・でもなんか、私には冷たい気がした・・・。」
確かに。
自分自身を守るためでも、みょうじに冷たくしたというのは事実。
「・・・すまない。」
だから、素直に謝る。
「ううん、謝ってほしいわけじゃない。私にも、普段の緑間くんで接してほしいなって。」
俺にできるか?
まだ、気持ちの整理がついてないのに。
「私に冷たくしたのには・・・理由ある?」
「・・・・・・。」
「あ、ごめん!緑間くんの話に付き合うんだったよね!なに私ばっかり話してんだろ・・・。」
「聞きたいか?」
「・・・へ?」
まっすぐみょうじを見ていう。
今なら、すべて話せそうだ。
「みょうじへの態度のことなのだよ。」
「聞かせて・・・くれるの?」
「これを話すのは、みょうじで2回目だ。」
1回目はキセキの世代。
桃井は泣いていたのだよ。
みょうじも、泣くのだろうか。