ありがとう
□episode7
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公園の近くを歩いていた人が、救急車をよんでくれた。
救急隊員に聞かれる。
『君、大丈夫?名前と住所言える?』
『あ・・・ぅ、あ・・・。』
『・・・とりあえず、君も乗って。』
頭の整理がつかないまま、俺はなまえと一緒に救急車に乗り込む。
隣にいた救急隊員が、俺を落ち着かせようとさまざまな言葉をかけた。
『大丈夫、助かるよ。』
『俺の・・・俺のせいで・・・。』
頭が痛い。
心臓の鼓動が異常に早い。
『君のせいじゃない。女の子は強いんだ、絶対大丈夫だから。』
『俺が・・・殺した・・・。なまえを・・・お、れが』
そのとき、視界が床へと近づく。
ゆっくりと。
バタン・・・という音も聞こえた。
『!?君、大丈夫!?ねぇ、聞こえる!?』
遠のいていく救急隊員の声。
そして、うっすら見える血まみれのなまえ。
それ以降の記憶がない。
俺は、あまりにも残酷な現実を見て、気を失った。