Feeling to believe
□独占欲
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WCを間近に控え、僕は今東京にいる。
強豪校の偵察に来たが、実際見ても何も変わらない。
僕がいて負けるわけがない。
ドンッ!
「きゃっ・・・」
「・・・っと、すまない。」
人にぶつかってしまった。
転んでしまった人に手を差し伸べる。
「あれ・・・赤司くん?」
「なまえ・・・?」
ドキン
心臓が高鳴ったのがわかった。
会うのは久しぶりだったから。
「すまなかった、立てるかい?」
「ん、ありがと・・・。」
なまえは僕の手を取って立ち上がる。
できれば、このままこの手を掴んでいたい。
・・・なんて、そんなことしていいはずがない。
どこまで独占欲が強いんだ、僕は・・・。
「赤司くん、どうして東京に?」
「あ、あぁ。強豪校の偵察にきたんだ。」
「そっか、ごめんね忙しいときに。」
「いや、ちょうど終わったところなんだ。そうだ、どこかで話さないかい?」
なまえは携帯の時計を見て「いいよ」と言ってくれた。
用事があったのだろうか。
申し訳ないことをした。
けど、少しでも一緒にいたいという気持ちの方が勝ってしまう。