陽だまり
□Episode9
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「もし辛くなったら、すぐやめていいから。な?」
「(コクン)」
「ん。」
そう言うと先輩は、私の頭を撫でてくれた。
【始まりは、私が小学生の頃です。】
その頃は、誰にでも明るく話しかけられるどこにでもいる女の子だった。
でもその性格が、仇になったんだ。
『ねーねー、おじさんどうしたのー?』
『ん?あぁ・・・おじさんね、会社をクビになっちゃったんだ。』
『クビ?』
『そう、やめさせられちゃったんだよ。生きていくにも、お金がなくてね・・・。』
『おじさんお金ないの?』
『そうだよ、お嬢ちゃんみたいにこんなきれいな服も着れないんだ。』
『じゃあお家においでよ!私のお家、お金いっぱいあるんだー!』
『・・・!』
「まぁ、神社・・・だからな。」
【いいえ。神社はあくまで母方の家系です。私の父は海外にも会社を進出させてる大きな会社の社長です。】
「え・・・。」
【あの事件が起きるまで、私とお母さんは大きなお屋敷に住んでいました。】
「事件・・・?」