いつでもそばに・・・
□祈り
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部活が終わり、僕は火神くんと共に校門に向かっていた。
すると校門には人だかり。
その中心にいたのが・・・
「ごめんっス。プライベートで来てるから今日は勘弁してほしいっス・・・。」
「な・・・黄瀬!?」
「黄瀬くん。」
「あ、黒子っち、火神っち!!」
黄瀬くんが人ごみの中から出てきて僕たちの方へ歩み寄ってくる。
火神くんはそんな黄瀬くんを睨み付ける。
「何の用だよ、1on1でもすんのか?」
「何でそんな喧嘩越しなんスか!?今日は黒子っちに用があって来たっス。」
「僕に・・・ですか?」
なんのことだか全く予想がつかなかった。
次の黄瀬くんの言葉に僕はハッとした。
「今、夏休みで紫原っちがこっちに来てるんス。」
「紫原くんがですか?何で・・・」
そして僕は気がついた。
「みょうじさんのところ・・・ですか?」
「さすが黒子っち、正解っス。」
僕は手に拳を作る。
「一緒になまえっちのとこ、行かないっスか?」
「そうですね、久しぶりに・・・行きましょう。」
「なぁ、そのみょうじって誰だ?」
僕の隣にいた火神くんが聞く。
僕たちは病院の方へ歩きながら、火神くんに説明をした。
「キセキの世代のマネージャー?」
「はい、とても優しい子です。」
「んでキセキの世代の一人、紫原っちと付き合ってたんスよ。」
「お前ら、今からそいつに会いに行くんだよな?その紫原とみょうじだっけ?久々に会ったんなら二人にしたほうがいいんじゃねーか?」
火神くんがそういうと、僕も黄瀬くんも視線を下に落とした。
やはり、黄瀬くんもまだ気にしているようでした。
「火神くん。」
「ん?」
「みょうじさんは・・・眠ったままなんです。」
「だから、二人でいるよりも俺らが行ったほうが・・・紫原っちも悲しくないと思うんス。」
「どういうことだ?何があったんだよ・・・。」
僕と黄瀬くんは悩んだ末、みょうじさんのことを話すことにした。
「2年前の・・・出来事です。」