いつでもそばに・・・
□できること
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なまえの笑顔を、取り戻すことができなかった。
敦の大切な人を、助けることができなかった。
全員を心から笑顔にしてくれる人を、救うことができなかった。
みんなの心に、闇をつくることしかできなかった。
僕は・・・みんなを悲しませることしか・・・できなかったんだ。
「今日は、入ってもいいだろうか。」
昨日、大輝とさつきが病室にいて、入ることができなかった。
俺がここに来るのは長期休みを利用してからではないと来れない。
中学を卒業するとき、敦と約束をした。
『紫原は秋田の高校か。』
『うん、なまえのとこあんまり来れなくなる・・・。』
『俺も京都だ。だが、長期休みのときは必ず行く。』
『!赤ちん・・・。』
『卒業したって、なまえはずっと俺達の仲間だ。』
『うん・・・ありがと、赤ちん。』
あの事故がなければ、敦の隣にはなまえがいたはずだ。
2年経った今でも目覚めないのは、なにか理由があるのだろうか・・・?
考えながら歩いていると、なまえの病室に着いた。
そして、僕が入ろうとした・・・そのときだった。