いつでもそばに・・・
□記憶
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全員で海に行った次の日。
僕たちは病院にいました。
これから、紫原くんが帰るまでみんな一緒にみょうじさんの元にいようということになった。
「あー、日焼けいってー・・・。」
「峰ちんは焼けたかなんてわかんないし。」
「その通りなのだよ。」
「青峰くんは将来皮膚ガンにならないかが心配です。」
「大輝、これ以上焼くのはやめたほうがいいぞ。」
「いっつも日焼け止めクリーム塗らないからだよー?」
「青峰っちが皮膚ガンで入院とかウケる!!」
「黄瀬死ね。」
「なんで俺だけっスか!!?」
今日は特別どこかに行くということではなく、病院で雑談。
思えば、こうしてキセキの世代達が病院に集合するというのは、初めてのことだった。
中学時代は、全員一緒に来るということはなかった。
全員一緒に来なかったのは、各々の理由があると思う。
けど、みなさん共通して思っていたことは「紫原くんの傷ついた姿を見たくない。」
今思うと、こうしてみんなで笑っていられる紫原くんが不思議なくらい。
・・・今と昔の紫原くん。
どれだけの違いかを明確にするため、僕は昔のことをゆっくりと思い出した。