あの空の下で
□episode9
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今回の噂は前よりひどいもの。
周りの人たちの声が、直接入ってくる。
もう男女関係なく私のことを言ってくる。
でも、もう逃げない。
だから我慢して放課後まで頑張った。
紫原くんのことを教室で待ってるより、早く体育館に逃げ込みたい気持ちがあったから、今日は一緒にいかなかった。
ガラッ
まだ誰もいない体育館が、なんだかすごく落ち着く。
私はその場に座り込んで、深くため息をついた。
「はぁ・・・。」
みんながいるから、前よりは平気。
どんなに辛くたって大丈夫。
大丈夫だけど・・・。
やっぱり言われるのは嫌で。
「・・・どうかしたんですか?」
「・・・え?」
「こんにちは。」
「・・・えぇ!?」
え・・・誰!?
・・・なんで!?
さっき誰もいないって確認した・・・よね?
え・・・いつから!?
「え・・・い、いつ・・・!?」
「・・・ずっといました。」
「・・・嘘!!」
「嘘じゃありません。」
というより・・・影薄い・・・。