キオク
□笑顔の記憶
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ガンッ!!!!
「!?ちょ・・・」
後ろを向いて壁に頭を何度もぶつけた。
痛くたって関係ない。
だって・・・この痛みよりも、もっと忘れられた人は心が痛いから。
ガンッ!!!ガンッ!!!!
「なにしてんスかなまえっち!!」
黄瀬くんが私の腕を掴む。
それを、私は意図も簡単に振りほどく。
黄瀬くんが力を弱めたのか、私の力が強かったのかはわからない。
けど、必死だった。
頭を強く打ったから記憶は飛んだ。
だったら、また強く打てば戻るんじゃないか。
・・・こんなの、幼稚な考えだって分かってた。
分かってたけど、少しでも可能性があるなら・・・。
ガンッ!!ガンッ!!!!
「・・・っいい加減にしろ!!なまえ!!!」
「・・・っ!?」
黄瀬くんが後ろから覆いかぶさり、私の両腕を掴む。