キオク
□Side story〜緑間〜
2ページ/2ページ
『・・・ミドチンのバカ、アホ、オタンコナス。』
「お前・・・!一度に言いすぎなのだよ・・・!!」
『オレ、もうみんなに守られるほど弱くねーし。なまえのことも受け入れた。』
「・・・そうか。」
『なまえだって、ちゃんと前進んでいると思う。』
なまえという単語が出てきてみょうじの報告のことを思い出す。
「そうだな。あいつなりに、進んでいる。」
『そっか、ならよかった。』
また少し、間。
すると紫原が思い出したかのように「あっ!」という。
「どうした?」
『オレ、近々そっち行く。』
「!?」
みょうじと会って平気なのか?
みょうじはお前を忘れているのに。
『赤ちんから連絡きてさー、会った方が思い出すきっかけにもなるって。』
「赤司か・・・。」
たしかに、紫原は中学の時から赤司のいうことだけは守っていた。
だが、今回ばかりは断ってもよかったのではないだろうか。
『なまえがオレのことどう思うかわからない。でも・・・』
「?」
『やっぱ、会いたいから。』
その紫原の声が少し嬉しそうに聞こえて。
俺は、「来るな」とは・・・言えなかった。
完!!