あの空の下で
□episode1
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「この場所、よく来るのー?」
「はい。偶然見つけたんですけど、すごく綺麗なんですよ。」
「綺麗?」
「はい!あ、もうちょっとだ!!こっち来て下さい!!」
私は一番夕陽が綺麗に見えるであろう場所に彼を連れて行った。
「うわ・・・え・・・なにこれ・・・。」
「綺麗ですよね?」
「初めて見た・・・。」
ちょうど夕陽が差し込む時間に重なった。
ふと横を見るとその夕陽に照らされた彼。
微笑んでいる姿と夕陽が絶妙に合っていて、思わずドキッとしてしまう。
「そういえば、オレみょうじさんの下の名前わかんない。」
「え?」
「『みょうじさんっていう可愛い子がいる』って噂だったから。教えて?」
「なまえ・・・です。」
「じゃー今度からなまえだね!オレ、1年の紫原敦!」
「え?1年生!?」
驚いた。
彼の身長で1年生・・・。
うそ・・・絶対3年生かと思ってた・・・。
「身長高いから学年間違われるんだけど、1年生だよー。よろしくね。」
「あ・・・はい・・・。」
「敬語禁止ー、堅苦しいの嫌いなんだよね。」
「う、うん・・・?」
同い年って知ったからなのか、さっきよりは話やすくなった。