あの空の下で
□episode8
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「なまえ!!」
なまえのクラスの扉を勢いよく開ける。
視線がオレに集まった。
けど、なまえの姿はない。
ふと、なまえの机が目に入った。
「・・・っ!!」
机に落書き。
机にゴミ。
机に一輪の花。
無残な机の状態。
「紫原くん、ちょっと・・・。」
その時、よく放課後なまえと話していた女子がオレに言った。
「なまえ・・・学校来てすぐどっか行っちゃって・・・。ここまでひどいのは、初めて・・・。」
初めて、じゃねーだろ・・・。
友達じゃねーの?
なんでどうにかしようと思わね―の?
頭にそんな疑問と怒りが込み上げてくる。
やられたのはなまえだろ。
なまえのために何かしろよ。
「紫原。」
「むっくん・・・。」
「!赤ちん・・・桃ちん・・・。」
「こいつに当たってもなにもならない。もうすぐHRが始まる。」
「休み時間とか使って、ポスター剥がそ?みんな協力してくれるって!」
「・・・わかった。」
なまえどこにいるんだろ・・・。
そっちの心配はしないの?
オレは、そのことしか気にかけてなかった。